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3-5 ダンスレッスン

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箱星
著者
箱星
のんびり暮らしたい。

「声ちっちゃー。ぜんぜん聞こえないんだけどー」

またこの夢だ。もう何度目だろう。あのときの記憶が今も忘れられない。

わたしは起き上がり、今日の支度をする。今日はダンスレッスンだ。

ダンスレッスンのスタジオに着いた。レッスンを始める前に、ひかりが普段やっているダンスを見せてくれることになった。

「この曲はまだ練習中だから、あんまり期待しないでね」

そういうとひかりは音楽を流す準備をし、直立した。音楽が始まるとひかりは体を動かし始める。その動きは俊敏で、それでいて楽しそうだった。真似できないな、と思った。わたしと菫は見入っていた。

曲が終わり、ひかりはわたしたちを見てこう言った。

「どうだった?」

「すごかったよ、ひかり。ダンス部なのは知ってたけど、こんなすごいことができたんだ」菫も感動している。

「すごかった……」わたしもそう伝えた。

「えへへ、ありがと」ひかりは嬉しそうに笑っている。

「私、こんなに踊れないかも」菫を見ると不安そうな表情をしていた。

「大丈夫!私だってすぐに踊れるようになったわけじゃないから」ひかりはそう励ました。

その後、ダンスレッスンが始まった。基礎的な部分から始まった。ひかりのダンスを見た後だと自分の運動神経が不安になったけど、菫もわたしと同じくらいだった。

ひかりは未熟なわたしたちを見ても馬鹿にすることなく優しく付き合ってくれた。

こうして無事に初めてのダンスレッスンを終えた。これなら楽しく続けられそう、と思った。