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1-1 出会い

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箱星
著者
箱星
のんびり暮らしたい。

月明りに照らされながら、私は帰宅した。

部活に励んでいたら遅くなってしまった。しかも帰り道でおばあさんを助けたらこんな時間に。

「ただいまー」

部屋に着いた。早速スマホを開き、動画をチェックする。おっ、新着動画が来てる。

これは私がよくチェックしているダンサーの動画だ。表現力が優れていて、いつも部活で参考にしている。動画を視聴しようとしたところ、広告が入った。

「また広告……。最近多いなぁ」

スキップできない広告が連続で流れてくる。うんざりしながらぼんやりと広告を眺めていた。その中に気になる広告があった。

アイドルオーディション開催。

普段なら広告なんて気にならないのに、少し興味を持ってしまった。あなたもアイドルを目指してみませんか、というフレーズが目に留まる。私が、アイドルに?

そう思ったのも束の間、見たかった動画が始まり、私の意識はそっちに移行した。やっぱりこの人のダンスはかっこいいなぁ。

その後は別の動画を見たり、友人とカラオケに行く約束をしたりして、ベッドに入った。

今日一日を振り返る。あのときの会話、楽しかったな。あそこのダンスを工夫できそうだな。そんな中ふと思い出したものは、あのアイドルオーディションの広告だった。

これが、私がちょっと変わったアイドルを目指す物語のはじまりである。