リー代王
鶴崎さんが同人誌化 OK とのことで勢いで作ったものです。問題があれば削除します。
https://x.com/Tsurusaki_H/status/1873591940115272133
https://x.com/Tsurusaki_H/status/1873638698698580368
リー代王、それはリー代数に最も詳しい最強の人物を決める戦いである。
熾烈な予選を勝ち上がってきた 2 人が、頂上決戦に挑む。
司会「意気込みをうかがっていきましょう。まずは鶴崎さん」
鶴崎修功「リー代数は 5 年以上取り組んできたテーマなので、負けられないですね」
司会「続いて箱星さん、意気込みをお聞かせください」
箱星「がんばりま~す」
司会「それでは、スタートです!」
超 難 問
早押しクイズです。
「リー代数の線形空間としての基底を用いて、普遍包絡/」
ピコーン
司会「押したのは、IQ165の天才、鶴崎修功!」
鶴崎修功「ポアンカレ・バーコフ・ヴィットの定理」
ピンポーン
司会「なぜだ!なぜわかる!」
鶴崎修功「リー代数に対してその普遍包絡代数というものが定まるんですけど、その構造がリー代数の線形空間としての基底からわかるという定理がポアンカレ・バーコフ・ヴィットの定理ですね」
司会「流石の知識量!鶴崎が先制しました!」
超 難 問
法則を推理し、「?」に当てはまる言葉を答えなさい。
$$ A_1, A_2, G_2, \fbox{?}, F_4, E_6, E_7, E_8 $$
ピコーン
司会「IQ165の天才、鶴崎修功!」
鶴崎修功「$D_4$」
ピンポーン
司会「この短時間で法則を推理したとでもいうのだろうか!?」
鶴崎修功「これはドリーニュの例外系列と呼ばれるものですね。有限次元単純リー代数の中でも特に不思議なものが一列に並んでいて、今回の答えである $D_4$ はディンキン図形が位数 3 の自己同型をもつという点で興味深いです」
司会「一瞬で法則を見抜いた上に豊富な知識量!リー代王に一歩近づきました。一方、箱星さんは未だ正解なしという状況です」
箱星「有限次元単純リー代数のルート系であることは気づいたんですが、出遅れてしまいましたねえ」
超 難 問
極限までズームされた画像が表示されます。何の画像であるか答えなさい。
ピコーン
司会「IQ165の天才、鶴崎修功!」
鶴崎修功「Introduction to Lie Algebras and Representation Theory」
ピンポーン
司会「限られた情報から見事正解を導き出しました!鶴崎さん、なぜわかったのですか?」
鶴崎修功「まず黄色が主体だったので、シュプリンガーから出版されている数学書であると予想しました。リー代数に関係する数学書を頭の中で列挙して、画像が Hump まで見えたところで、これは Humphreys の本だと確信しました」
司会「素晴らしい」
鶴崎修功「みなさんもこの本でリー代数に入門しましょう!」
司会「ついに鶴崎修功がリー代王にリーチをかけました!」
超 難 問
「リー代数の普遍包絡代数を変形したものを量子群といいますが、量子群において $q=0$ としたときに何かが起こるだろうという動機のもと、1990 年頃に柏原正樹によって/」
ピコーン
司会「押したのは、組合せ論を愛する承認欲求モンスター、箱星!」
箱星「結晶基底」
ピンポーン
司会「ここで箱星が初正解!鶴崎のリー代王に待ったをかけました!」
箱星「結晶基底は組合せ論とも関係が深い対象なのでわかりましたね。組合せ論はいいぞ」
司会「しかし依然として鶴崎がリードしています。果たして次で決着がつくのでしょうか!?」
超 難 問
「アルファベット一文字でお答えください。1970 年代に Bernstein, Gelfand, Gelfand によって/」
ピコーン
司会「IQ165の天才、鶴崎修功!ここで正解すればリー代王です!」
鶴崎修功「O」
ピンポーン
司会「素晴らしい!激戦の末、リー代王となったのは鶴崎修功です!おめでとうございます!」
鶴崎修功「ありがとうございます!」
司会「リー代王となった感想はいかがでしょうか」
鶴崎修功「そうですね、長年リー代数に取り組んできた努力が報われたようで感無量です。もちろんリー代数の世界は奥深いので、まだまだ努力していきたいですね」
司会「惜しくも敗れてしまった箱星さん、今のお気持ちはいかがでしょうか」
箱星「やはり、経験の浅さですね。精進します」
司会「見事リー代王となった鶴崎さんには、賞品としてバラムツ一年分が贈呈されます」
鶴崎修功「嬉しいです!」
司会「次回は Zhu 代数に関する知識王決定戦、Zhu 代王でお会いしましょう!」
箱星「さよなら~」