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【いーしー部!】数え上げってなんだろう?【しーずん1!その1】

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箱星
著者
箱星
のんびり暮らしたい。
目次

くみあラボへようこそ!
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くみあ

くみあラボへようこそ!

いおり

わあ……!すごいの!

くみあ

(まあ、私の家なんだけど。)

早稲くみあは石浦いおりと椎木しいなの 2 人を自宅に招待した。くみあの自宅は VTuber 活動のために大きく改装してあり、設備が充実している。もちろん、組合せ論の本もたくさん置かれている。

EC を読もう
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いおりとしいなは図書館で借りた Enumerative Combinatorics (EC) を持参した。なお、くみあも同じ本を持っている。

しいな

それで、いーちゃんと一緒に EC を読もうとしたんだけど、難しくって読めなかった。顧問の先生、どうしたらいいかな?

くみあ

これは EC に限らないんだけど、数学書っていうのは基本難しいものです。私も周りのみんなも、数学書は難しいって言ってますからね。

いおり

じゃあ、いおりたちには無理ってこと……!?

くみあ

そんなことはないですよ。難しいからこそ、じっくり読むのが大切です。それに、私が顧問の先生としてサポートするので、大丈夫ですよ。

いおり

ありがとう!くみあせんせー!

数え上げってなんだろう?
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3 人は EC を眺める。英語と数式がびっしりと書かれており、いおりとしいなは難しくて再び諦めそうになる。そこで、くみあがサポートを入れる。

くみあ

数え上げについて書いてありますね。

くみあは数え上げでどのような問題を扱うのかを説明する。例えば、3 人が一列に並ぶ方法の数、5 人が一列に並ぶ方法の数といった問題がある。これを一般化すると、nn 人が一列に並ぶ方法の数を求める問題になる。

この問題の答えは n×(n1)××2×1n\times (n-1)\times \cdots\times 2\times 1 通りである。省略して n!n! と書くこともある。

このように、数え上げの問題はあるものの個数を求める問題といえる、とくみあは説明した。

くみあ

でも、このように答えが綺麗な式で書ける問題ばかりではないですよ。

しいな

そうなんだ。

いおり

そもそも、きれいな式ってどんな式?

くみあ

いい質問ですね。実は、どんな式がいいかというのは時と場合によって変わってきます。

くみあは例としてフィボナッチ数列を紹介する。nn 段ある階段を、1 段または 2 段上ることを繰り返して上る。上り方は何通りあるかという問題である。

いおり

いおりも階段飛ばししたことあるの!

しいな

危ないよ。

nn 段の階段の上り方の個数を ana_n とおくと、a1=1,a2=2a_1=1, a_2=2 かつ an+2=an+1+ana_{n+2}=a_{n+1}+a_n という公式がある。もう 1 つの公式は

an=15((1+52)n+1(152)n+1) a_n=\frac{1}{\sqrt{5}}\left(\left(\frac{1+\sqrt{5}}{2}\right)^{n+1}-\left(\frac{1-\sqrt{5}}{2}\right)^{n+1}\right)

である。

くみあ

さて、どちらがいい公式でしょうか?

しいな

5\sqrt{5} とか入ってて難しそうな数式……。最初の公式の方がきれいじゃない?

いおり

でも 2 つめの公式のほうが、答え!って感じがするの。

2 人の意見が分かれていることからも、数え上げ問題には様々な観点があり、それだけ奥深いということを示唆している。

くみあ

ちなみに、私はコンピュータを使った計算という見方からも研究をしてます。たとえばさっきの例だと、5\sqrt{5} をコンピュータで扱うには工夫が必要ですね。小数で扱おうとすると無限に続いてしまいますから。ですが an+2=an+1+ana_{n+2}=a_{n+1}+a_n の方では簡単に計算ができます。このように、歴史の長い数え上げ問題もコンピュータの見方をすれば新しい発見があるんです。

いおりとしいなの 2 人は目を輝かせている。数え上げを探究したいという気持ちがますます高まっている。

くみあ

さあ、一緒に数え上げを学んでいきましょう!

いおり

いおりたちの探究は始まったばかりなの!