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2-2 事務所

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箱星
著者
箱星
のんびり暮らしたい。

「おはようございます」

事務所に着いた私は挨拶をする。

「おはよー、菫ちゃん」彼女はひかり。学年は1つ下で、ダンス部に入っているらしい。

「今日は早かったね」

「うん。そういえば、菫ちゃんはどうしてアイドルになろうと思ったの?」

「私は友人の誘いでオーディションを受けたの。その子は落ちてしまったけど……」

「そうなんだ」

「ひかりはどうして?」

「私は動画を見てたら広告でこれを知ったんだ。はじめはスルーしてたんだけど、だんだん気になってきちゃって」

「広告で知ったのね。運命的な出会いだね」

「そうかな?」

「だってひかりはダンス部に入っているんでしょう?それに歌も好きだし、ぴったりよ」

「確かにそうかも」

ひかりと会話をした後、私はもう1人の存在が気になった。

「美悠はまだ来てない?」

美悠。学年は2つ下で、無口な子。まだどんな子なのかよく知らない。

「いるよ」ひかりは答えた。「ほら、あっちに」

ひかりの目線の先を見ると、部屋の隅のソファに美悠が座っていた。ヘッドホンを装着している。

「音楽を聴いてるみたい。話しかけてもいいのかな?」ひかりは私に尋ねた。

「邪魔しない方がいいかもね」

「そうだね」

私はひかりと会話を続けた。